てくてくニャーニャー

たまにブロぐ

絵を描くのは怖かった

自分の描いた絵を部屋に飾ってよく見るようにすると、絵が上手くなるというのを聞いたことがあった。

 

 

 

美大出でもないし、本格的に描き方のトレーニングを受けたこともない私だが、なぜか、たまに絵が描きたくなる。でも怖い。上手く描けないのが怖くて、ずっと、自由に絵が描けなかった。

 

 

 

下手な絵を描く恐ろしさから逃れたいなら習えばいい、と安直に考え、ちょこっとだけ習ったりしたこともあった。ちょこっとだけ、というのは、すぐ辞めてしまうということだ。飽きっぽい性分のせいだけではない。習いに行って、褒められると物凄く嬉しくて、舞い上がる。しかしその後、他の人の上手さを目の当たりにして、落胆する。舞い上がれば舞い上がるほど落ち方も凄まじい。持って生まれたものの違いに気づき、辞めよう、とすぐさま諦めてしまうのだ。それでもやっぱり、また描きたくなってしまって、同じことの繰り返し。

 

 

 

 

ひょんなことから、絵を描くことで僅かながらお金をいただける機会が重なった。ある程度評価していただいたということなのだと思う。それでもやっぱり怖かった。これで良いのだろうか。これは私の絵なのか。私の絵とは一体。言われるがままに、ビクビクしながら、よくわからないまま描いた絵。たとえ良いと評価されても、その絵が自分には見えていなかった。良いのか、悪いのか、きっと良くないのだろうけど、これは一体何なんだろう…そんな感じだった。

 

 

 

しばらく絵とは全く関係ないことをして過ごして、また描きたくなって描いていたら、気づくといつの間にか怖さが減っていた。

 

 

 

 

すごく上手な絵を描く才能は無いと、ようやく諦めがつき、ずるずる引きずった謎のしがらみから解放されつつあるのだろう。下手な絵を晒すのはまだ少しは怖いから、完全には解放されていないけど。諦めがつき始めたのと同時に、好きなところも少しずつ見え始めた気がしている。それは一重に、私の絵が好きだと言ってくれる、周囲のあたたかい人たちのおかげだと思う。昔描いた絵も、昔は悪いところばかり目について自己嫌悪に陥るしか無かったけど、今は、それもまあ私の絵だってことだろうと、受け入れられるようになってきている。

 

 

 

 

実家に預けていた私物を整理していたら、怖がって絵を習いに行っていた頃に描いた絵が出てきた。上手になりたくて、部屋の壁に画鋲で留めていた。

 

 

 

今見てもやっぱり下手さは気になるけど、まあこれも味ってことでいいかな、と100均で額を買ってきて、再び部屋に飾ることにした。

 

 

 

 

 

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お題「思い出の一枚」